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BOOK 33

先日、本棚近辺を整理しておりましたらこのような漫画を見つけました↓









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難題に挑まれた方々のドキュメント、いうなれば「プロジェクトX」の漫画版、といった

ところでしょうか。

僕はこのシリーズが好きでほとんどの作品を買い集めていましたが、特にこの物語には

感動いたしました。

盲導犬のお話です。







昭和23年、この物語の主人公である塩屋賢一さん(27)は≪犬の訓練士≫という、当時では

斬新な仕事を始められ生計をたてております。

飼い主にかわって(座れ)(伏せ)(来い)等の基本動作を教え込む、といったものなのですが、

当時は誰もが食うや食わずの時代です。 

そのようなご時勢に犬を飼える余裕があるのは一部の金持ちに限られます。

自身の仕事はそのような成金連中に満足感を与えているだけの空しいものかもしれない、と

塩屋さんは葛藤されます。




ある日の事、塩屋さんはとある誌面で盲導犬という存在を知ります。

昭和20年代、先ほども申しましたとおり誰もが貧しく、戦争での負傷や栄養失調などで

目の不自由な方が大勢おられた時代です。

一部の金持ちの見栄を満たすだけではなく、以前から

『たくさんの人の役に立つ仕事がしたい!』と考えていた塩屋さんは

日本では初の盲導犬育成という仕事に挑みます。





塩屋さんは手始めに、ご自身の愛犬アスター(シェパード)で試されます。

アスターは生粋の犬好きである塩屋さんが数年前に全財産をはたいて買った犬で、

シェパードの訓練競技で日本一になったほどの優れた犬なのです。

そんな利口なアスターなら立派な盲導犬になるであろうと考えた塩谷さんは自らに

目隠しをされアスターと町にくり出します。

が、当然そう簡単にはいきません、塩屋さんは全身傷だらけになります。

正しい盲導犬の育成法を知るために盲導犬に関する海外の書籍を辞書を片手に調べ

上げるのですが育成法などはどこにも書かれておらず、塩谷さんは独自の工夫と方法

でもって日本初の盲導犬第一号を育てる決心をされるのです。






そんな暗中模索のある日、塩屋さんは知人から河相さんという目の不自由な方を

紹介されます。

河相さんも≪盲導犬≫という存在をご存じで、今まで何度も各方面にご自身の愛犬である

シェパードのチャンピイを盲導犬に、と依頼してまわったのですが、そのたびに

『そんなものは無理』と断わられ続けたそうです。

塩屋さんはチャンピイを預かり、本格的な盲導犬育成を開始するのです。






前述の座れ、伏せなどの基本訓練に加え、意図的に作った障害物だらけのコースを

飼い主と共に歩行する誘導訓練、そして現在では珍しい事ではありませんが、人間との

絆をさらに深めるためにと室内で犬と生活をする、という当時では考えられないような

方法まで塩屋さんは試されます。

長期にわたる訓練の末、こうしてチャンピイは盲導犬として世に送り出せるまでに

成長するのです。






僕は簡単に書き綴ってしまいましたが、これには指導する人間、訓練犬ともに相当な努力と

忍耐が必要なはずです。

現在と違って当時はデコボコ道だらけだったでしょうし、車の通行マナーも野蛮なもの

だったことでしょう。

作中でも描かれておりましたが、犬には通れる高さでも人間では頭をぶつけてしまう看板

等が街には多く点在するのです。

盲導犬は主人を守る為にそのような地面、頭上の障害物直前で立ち止まらなくては

ならないのです。






盲導犬となったチャンピイを河相さんの元へ帰してから数ヵ月後、塩屋さんは

最後のテストを行うために河相さんとチャンピイの住む地へと向かいます。

最後のテスト、皆様はどのようなモノを想像されますでしょうか。

≪人工的に作り上げた超難度コースでのタイムトライアル≫ こう考えられたかたも

おられるかと思います。 僕はそう思いました。

違います、素通りです。

つまりはこうです、仕事中の盲導犬は主人に服従が絶対条件なのです。

つまり、一年間文字通り寝食を共にしてきた塩屋さんを見て注意をそがれるようでは盲導犬

失格なのです。

これは難しそうです。 これなら先ほど申しました難度コースのほうがはるかに

簡単そうです。

バカにする訳ではありませんが、懐かしい顔にむかって一目散に駆け出すほうが犬らしい

行動のような気がします。

事前に聞き出していた河相さんとチャンピイの散歩コースで待ち伏せる塩屋さんに対して

チャンピイはどの様な振る舞いを見せるのでしょうか?








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素通りです。 盲導犬として立派に育ったチャンピイに喜ぶ反面、その表情から何かしら

塩屋さんに思うところがあるようです。 しかし続きます。








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犬や猫と生活をしている方からよく聞かされる事なのですが、時として人間の感情や

言葉を理解しているとしか思えない、といったようなしぐさや行動をとる時があるのだそう

ですね。

ならばその逆で人間が犬や猫の感情を理解できても不思議ではありません。

このとき塩屋さんが感じられた事は絶対に間違っていないと僕は確信しております。






以前雑誌で読んだ記事なのですが、とある大道芸人さんが今まで誰も思いつかなかった

ようなとんでもない技のアイデアが浮かんだそうです。

アイデア段階のその技を実現する為に来る日も来る日も猛練習したらしいのですが

一度も成功しません。

(はたして人間に出来るのか…?) その内こう思うようになったそうです。

すでに存在する技術ならば、それを真似して試行錯誤すれば良いのですが、≪前人未到≫

ですとそうはいきません。 徐々に初期の決意が薄れて当然かと思います。

冒頭で例としてあげた「プロジェクトX」もそうですが、この日本初の盲導犬第一号を

育成された塩屋さんに共通するのは決してあきらめないという事です。

よく聞く言葉ですよね、『決してあきらめない』

その言葉を聞くだびに僕は≪天才の謙遜≫と思ってしまうようなヤツだったのですが、

何度も何度もこの様な物語にふれていると、前人未到の偉業を成し遂げる条件とは単純に

本当にシンプルにただそれだけなのかもしれないと思えてきます。

いや、きっとそうなのでしょう。   僕がお酒の飲み方を教わった先輩も口癖のように

『勝つまでやめへんかったら負けへんねん』と申しておりました。

いきなり言葉の迫力がカクンと落ちてしまいましたが、同じような意味合いの事を言って

いたのでしょう。

12月も中旬、いやがおうにも1年の総括を迫られる時期となりました。

僕にも毎日精進している事柄がありますので日々成長、日々前進をモットーとして

おりますが365日を通して負けた日のほうが圧倒的に多いです。

いや、胸を張って『勝った!』と言える日があったのかさえアヤシイものです。

僕も理想を実現する為にも先人にならって、たとえ失敗だらけの日々を過ごそうとも決して

あきらめない信念だけは持ち続けなくてはなりません。




(28日に今年最後の更新をさせて頂きます)

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犬の賢さは、犬と暮らし始めて、改めて気づきました。
どんな犬だろうと、その感情は、びっくりするくらい繊細です。

その犬の能力を生かし、夢を成し遂げた主人公は、感無量だったんじゃないでしょうか。
しかし、何かを成し遂げるには、この人のように、一にも二にも、努力と、突き進む気力ですよね。

某有名カメラマンの本を読んだんですが、
彼は「カメラマンになるのは、簡単なんです」といいます。
「なりたいなあ」ではなく、「なる!」と決めるだけでいいと。

あとは、突き進むだけ。なんか、エネルギーの沸く、楽しい本でした。
どんなものにも、通じるな~と。
私はいつも、「なれたらいいなあ~~」でした><

やっぱり、人間、信念ですよね。
来年は、私も、「なる!」になる。

・・・でも、 なんになろう・・・。

lime様へ

僕が子供の頃はまだ野良の犬や猫が沢山いた時代でしたので
よく仔犬を連れて帰ってはオカンに怒られてましたよ。
犬を飼える家庭が羨ましかったです。
ご紹介した作品もそうですが、動物を題材にしたストーリーって
卑怯です。 僕は簡単に泣いてしまいます。

偶然にも「なる!」とよく似た意味合いの本を最近僕も読みましたよ。
とにかく信じきる!『はぁ?それだけ?』てな感想だったのですが、この
≪信じる≫という行為がなかなか日常の癖にならないのです。
自分を信じる、という言葉はよく聞きますが難しいですね。
参考になるところも結構多かったのでまたご紹介します。
プロフィール

蛇井

Author:蛇井
1971年生誕の♂

【尊敬する著名人】
中島みゆき
ヴァンダレイ・シウバ

【愛用ギター】
Ibanez RG7EXFX2 chair仕様

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